研修プログラム

研修プログラムProgram


3.専門研修の方法

[1] 臨床現場での学習

・週に1回以上の診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンスを通して病態と診断過程を深く理解し、治療計画作成の理論を学ぶ。
・月に1回以上は抄読会や勉強会を実施する。抄読会や勉強会は他の施設と合同で行う場合も考えられる。インターネットによる情報検索を行う。
・子宮鏡、コルポスコピーなど検査方法を学ぶ。
・積極的に手術の執刀・助手を経験する。その際に術前のイメージトレーニングと術後の詳細な手術記録を実行する。
・手術手技をトレーニングする設備や教育DVDなどを用いて手術手技を学ぶ。
・2年次以後に外来診療が行えるように、ガイドラインなどを用いて外来診療のポイントを学ぶ。

 指導医は上記の事柄について、責任を持って指導する。本プログラムにおいては基幹施設である獨協医科大学病院産婦人科で6ヶ月以上、24ヶ月以内の研修を行う(1つの連携施設での研修も通算24か月以内とする)。
 獨協医大産婦人科施設群では原則として基幹施設から研修を開始し、ステップアップ方式(手術を例にとれば第2助手(視野の確保、出血を拭うタイミング、クーパーによる結紮糸の切断、ガーゼ整理)を修得→第1助手(視野の展開、糸の結紮、組織の把持、術者の誘導に従って電気メスでの組織切開)を修得→執刀医(皮膚切開、組織の把持・切開・切断、止血操作、癒着剥離、縫合手技)を修得→施設責任者あるいは責任者に準じる経験豊富な指導医による最終的な修得の認定)によって無理をせず安全かつ確実に現場で身に付けるべき技能を修得する。修了要件にある事項については、専攻医一人一人が達成度記録を持ち、連携施設でも各段階の修得レベルを指導医が確認し、次のステップに進ませる。

[2] 臨床現場を離れた学習

日本産科婦人科学会の学術集会(特に教育プログラム)、日本産科婦人科学会のe-learning、関東連合産科婦人科学会、栃木県産科婦人科学会などの学術集会、その他各種研修セミナーなどで、下記の機会が設けられている。

・標準的医療および今後期待される先進的医療を学習する機会
・医療安全等を学ぶ機会
・指導法、評価法などを学ぶ機会

 獨協医大産婦人科施設群ではこれらの機会に参加できるようにできるだけ調整を行うが、同じ学習機会に全専攻医が参加する事はできない。専攻医間で自立的に調整する事でお互いの立場を思いやる精神を育てる。最終的には獨協医大産婦人科施設群専門研修プログラム管理委員会(以下、本プログラム管理委員会)は専攻医が受講すべき講習などに3年の間には漏れなく参加できるよう調整する。

[3] 自己学習

 最新の「産婦人科研修の必修知識」を熟読し、その内容を深く理解する。また、産婦人科診療に関連する各種ガイドライン(婦人科外来、産科、子宮頸がん治療、子宮体がん治療、卵巣がん治療、生殖医療、ホルモン補充療法など)の内容を把握する。また、e-learningによって、産婦人科専攻医教育プログラムを受講することもできる。さらに、教育DVD等で手術手技を研修できる。

[4] 専門研修中の年度毎の知識・技能・態度の修練プロセス

・専門研修1年目

 内診、直腸診、経腟エコー、通常超音波検査、胎児心拍モニタリングの解釈ができるようになる。正常分娩を指導医・上級医の指導のもとで取り扱える。上級医の指導のもとで通常の帝王切開、子宮内容除去術、子宮付属器摘出術ができる。

・専門研修2年目

 妊婦健診および婦人科の一般外来ができるようになる。正常および異常な妊娠・分娩経過を判別し、問題のある症例については指導医・上級医に確実に相談できるようになる。正常分娩を一人で取り扱える。指導医・上級医の指導のもとで通常の帝王切開、腹腔鏡下手術ができる。指導医・上級医の指導のもとで患者・家族のICを取得できるようになる。

・専門研修3年目

 3年目には専攻医の修了要件全てを満たす研修を行う(資料2 修了要件参照)。帝王切開の適応を一人で判断できるようになる。通常の帝王切開であれば同学年の専攻医と一緒にできるようになる。指導医・上級医の指導のもとで前置胎盤症例など特殊な症例の帝王切開ができるようになる。指導医・上級医の指導のもとで癒着があるなどやや困難な症例であっても、腹式単純子宮全摘術ができる。悪性手術の手技を理解して助手ができるようになる。一人で患者・家族のICを取得できるようになる。
 以上の修練プロセスはモデルであり、専攻医の達成程度により研修年にとらわれすぎずに柔軟に運用する。3年という期間で研修を修了する事が目的ではなく、専門医にふさわしい知識・技能・態度を最終的に修得する事を目的とする。修得に時間がかかっても専門医として恥ずかしくない産婦人科医を育てるのが獨協医大産婦人科施設群専門研修のポリシーである。ただし獨協医大産婦人科施設群には専攻医の研修に十分な症例数があり、通常はモデル修練プログラムに先行して知識・技能・態度を修得できると考えている。そのため、修得が早い専攻医には3年に満たなくとも次のステップの研修を体験させる方針である。

[5] 研修コースの具体例(資料3)

 獨協医大産婦人科施設群では専門研修コースの具体例として、資料3に「産婦人科専門医養成コース」についての説明がある。このほか後期研修医を対象に留学や大学院進学、労働時間等に配慮をした女性医師支援を設けているので、プログラム統括責任者と相談の上これらを選択することも可能である。産休, 病気療養などの休職や、条件を満たした短時間労働の場合はその期間が6ヶ月以内であれば研修期間にカウントされ、最短3年間での研修終了が可能である。しかし留学、常勤医としての病棟または外来勤務のない大学院の期間は研修期間にカウントされないので、3年間での研修終了は不可能となる
 専門医取得後には、「Subspecialty産婦人科医養成プログラム」Subspecialty専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研修が可能である。
 また本プログラム管理委員会は、獨協医科大学病院臨床研修センターと協力し、大学卒業後2年以内の初期研修医の希望に応じて、将来産婦人科を目指すための初期研修プログラム作成にもかかわる。

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